夫が病を患い入院し、外国でスタイリストをしている義姉の千里さんが夫を見舞うために八年ぶりに日本に帰ってくることになりました。子供の頃から仲が良く初めて化粧を教えてくれたのも千里さんでした。千里さんが家に来てくれたお陰で寂しさと不安が和らいでいきましたが、千里さんには私の知らないもう一つの顔があったのです。蝉の音が煩わしい夜、蚊帳の中で汗をかきながら寝ている私に千里さんがゆっくり近づいてきて…。